2016年7月24日日曜日

18世紀 白釉のジャムポット

デジカメで、どこまでこの器たちの良さが伝わるだろうか。。。

と思いながらもやはりデジカメが便利なのでカメラを買い替えないオーナー。


どこまでこの撮影で魅力をお伝えできるか分かりませんが、、、笑

今回も大変味のあるお品もののご紹介です。

18世紀の白釉が素敵なジャムポット。
窯はヌヴェール、ムスティエ、ルーアンなどが思い当たりますが、判断が出来かねます。
それぞれに違うところから来たのかもしれませんし、同じところから来たのかもしれません。


白釉のジャムポット3点。

上の写真はきれいに見える面を写真に撮ったもの。


 こちらの写真ではやや表情が出て、釉薬のムラやフチの削げなどが見られる面です。

それぞれに微妙な色の違いがあるんですよね。
白でも青系に見えるもの、赤系に見えるもの。
上の写真で分かりますでしょうか。
左二つは微妙に青っぽく見える白、一番左は微妙に赤っぽく見える白。




フチには釉薬の削げなどが見られ、①大にはヒビが3か所、③には貫入がヒビになっているもしくはヒビになりそうなラインが1か所あります。




内側、きれいですね~。

年代の事を考えたらとてもきれい。
艶もあります♪

そしてこのように小さい器、探すのが大変なんです。




裏も良い表情をしていますでしょ。

白釉が雑についているもの、中央に丸くついているもの、まったくついていないもの、みんなそれぞれに違う表情です。



 ①大 

3つの中では多少薄めの作りのスマートなタイプです。
フチにヒビの家の一つが見えていますが、
ヒビは3か所あるにも関わらず安定していてビクともしない感じです。
ヒビのあるまま何年も生きてきたのでしょう。


 ①大
釉薬の削げまたは製造時のムラなどが、なんとも言えない良い雰囲気です。




 ①大
艶もあります。


 ①大
裏。



② 中 
フチに釉薬の削げなど



② 中
きれいに見える面の側。



② 中
上から見るとフチはきれいですね。
そして2番目のこのお品のかわいいところは、底上げタイプになっていて(底が厚くできていて)大きさの割に容量が少ない作りになっています。
だからずっしりと重みのある重厚な感じです。



② 中
中はやはりきれいで、ツヤツヤですね。
なんといっても均等にきれいに入った貫入が美しい器です。


② 中
横から見る表情とは違い、上から見るとコロッとしているのですよ。
とてもかわいい器です。



 ③ 小 売り切れです。
小と言っても②番目の中と大きさが同じくらいに見えるサイズです。
フチに釉薬の削げなど。


 ③ 小
きれいに見える面。


 ③ 小
写真で言うと上部少し左側にカケがありますね、そこからラインが走っているようなんですが、アクシデントか貫入なのかが判断できないところです。
いずれにしても大したダメージではなく気にせず使える状態です。



 ③ 小
裏。
これだけは微妙に赤っぽく見える白で、下の赤土の色が透けてそうなっているのでしょうか。



 ③ 小
内側の底中央におへそがあります♪
かわいい一面として気に入ってくださる方へ。

それにしてもきれいな貫入ですね。
白釉の表面も艶がよろしいです。



 ちなみにクレイユエモントローのジャムポットを一緒に並べてみました。
一番右が19世紀のクレイユエモントローのジャムポットです。

年代の違いが見た目で分かりますね。




はじめに載せた写真の一番きれいに見える面です。

左から①②③です。

それぞれに小さなことはありますが、年代の事を考えたら大変保存状態の良いものと言えると思います。


すべて完売でございます。m(__)m


☆☆☆☆☆

MERCI♡♡♡


オーナー☆イデコ

2016年7月14日木曜日

18世紀 ブルー ドット バルビエのお皿 



とろりとした白釉にさわやかなブルーの水玉。
中央にはステンシルで何か書いてありますね。

水玉のバランスもよく、かわいいお皿です。


手前がくびれていますね~。
このお皿、18世紀の床屋さんの髭剃り用のお皿なんですよ♪

こんなにかわいいデザインなのに、髭のムッシュの為に使われていたなんて想像がつきませんね。笑

こう、くびれた部分を首に当てて、床屋さんに髭をそってもらっている間、自分でお皿を持っているんです。

中世の時代にピューター製の髭剃り皿が既に存在していたようです。

床屋さんて言うとなんだかですが、中世~19世紀くらいまではバルビエという職業は大変地位の高い職業でした。
バルビエ&カツラ美容師、バルビエ&医師なども兼ねていたようです。
ちょっと奥が深すぎて、調べている間に気分が悪くなってしまい途中で断念しました。
特に床屋さんが手術も行っていたなどの部分は、現代の痛くない手術とはかけ離れていたようで。。。


とは言え、このお皿は手術には関係なく、髭をするためのお皿ですので♪


 フチに擦れや軽い釉薬の削げなど。

白釉の部分には釉薬のムラなど。

 引っかき傷のようなキズが少しあります。


 手前の角に当たるフチの部分は、擦れて釉薬の削げ。


 キズなど。


 フチには全体的に擦れとキズ、釉薬の削げが多少見られます。


 このステンシルのフランス語、素敵ですよね♪

RASEZ -
剃ってください


- MOI




私の髭を剃ってくださいという事ですね。

これを髭のムッシュが自分で支えながら、バルビエに髭を剃ってもらっていたなんて。

面白すぎます。


 釉薬または素地のムラ。
青いドットは手描きなんでしょうかね。
微妙に間隔や大きさが違って、かわいいんです。


 裏側。




壁掛け用の穴が2か所あります。
穴は保存状態が宜しくキズが見られません。



とろ~り。

 裏には製造時にできたと思われるキズなどが見られます。


 こちらも裏側。
製造時にできたキズです。


 こちらも裏側。


 年代の事を考えれば、大変状態の良いものと言えると思います。



 ね、きれいですよね?


 フチの擦れは、使われてきた証。
18世紀~現代まで生きてきたのですからかなり良い状態かと。


 フチの気になる方ようにフチの全面をお見せしております。






う~ん、やっぱりかわいい♡

バルビエに通えるムッシュはそこそこブルジョワ階級以上の方でしたでしょうから、やっぱり笑えます。
こんなかわいいお皿を自分で支えてひげ剃ってもらっていたなんて。笑






私のお髭を剃ってください、シルブプレ。




 PS: イデコの家では、友達をお招きした際にパンを入れて使いました♪



☆☆☆☆☆

MERCI♡♡♡ 
ご売約済みです。



オーナー☆イデコ

2016年7月4日月曜日

GIEN ジアン窯 白いソーシエール 19世紀初期

 美しいフォルムのお品、ソース用容器のソーシエールのご紹介です。

大きなヒビあります。
(冷やし中華あります、みたいな。。。笑)
すみません。


ジアン窯初期の貴重な器です。
ナポレオン1世時代直後の1822-1826年の間のものです。

この年代の少し前にクレイユでも同じ形のソーシエールが作られています。
クレイユの場合は、ナポレオンが親族の女性の為に注文させたもののようで、グリザイユのプリントが釉薬の下ではなく上からプリントがされている1810年代のものでした。

ジアンの方が後になると思いますが、ジアンの窯設立当初に他の窯のものを真似て作っていたの訳ではなく、クレイユかモントローの職人が技術を伝授したようです。(wikiより)


そりゃあ同じ形ですわな。笑
クレイユやモントローと同じものを作っていたものの運営が難しく、この時期の刻印はたった4年間と大変短いものです。


この面から見ると分かりませんが、



 反対から見ると大きなヒビがあるのが分かります。
ちょっと残念ですが、それでもこうしてここにいてくれる、貴重な資料ともなりえるお品です。

捨てないでくださいね。


 ヒビの部分は接着剤で着けてあるようですが、パッと見にわかるものです。



内側の底の方にもヒビがあります。





フチには擦れ感や変色


 フチに擦れや変色


 ソーサーの受け皿部分にカケ、シミも見られますね。

受け皿と本体が一体になったタイプです。



 内側のヒビのアップ。

 受け皿のシミの様子。


 裏側。


 この刻印がなければクレイユかモントローだと思ったと思います。

HALLと入っています。
ジアンのサイトの刻印ではフォントが違うように見えますが、書籍で確認したところこのロゴはジアンの刻印と出ておりました。

GIENとはなんの関係もないような刻印ですが、19世紀初めのクレイユやモントローに技術を伝授した後ジアンの窯にやってきたのがイギリス人のThomas HALL氏。
1822-1826年の4年間と言う短い間のジアンの刻印です。

1827年以降は独自ブランドらしく、ジアンならではの陶器作りが始まります。
陶器製品の生産に後れを取っていたフランスの窯もイギリス人のおかげで、成功を得ることになります。


貫入が全体に。


シミも多少見られます。


この形は、イギリスからきたのですね。
どこかキリっとしていてカッコいいです。






舟形の素敵なフォルムです♪


大きなヒビなどの風化は見られますが、





大切に保存してくださる方へ♡



☆☆☆☆☆

MERCI💜💜💜
完売いたしました♪



オーナー☆イデコ