2015年12月23日水曜日

18世紀 フランス お花のレリーフ 陶器製小さなクリームカップ

 18世紀、このような食器を手にできるのは王族や貴族の人々に限られていました。

今回ご紹介するのは、生クリーム、アイスクリーム、カスタードクリーム、チョコレートムースなどのクリーム系のデザートに使われていたカップになります。


はじめに申しあげておきますが、ヒビが入っております。
ここで読むのを辞めてしまわれる方もいらっしゃるかもしれません。
でも、18世紀の陶器に新品のようにきれいなものを望むのは本当に難しいんですよ♪

ここまで残っていてくれた事をありがたいと思ってくださる方へお譲りできたらいいなと思います。



 フタは違うところから来たようですが、一緒に仕入れましたのでお付けしてのご紹介となります。

窯が未だにはっきり言えないところが悩みの種ですが、ポントシューかサンクレモンもしくはルクセンブルグのセットフォンテーヌ窯のいずれかではないかと思います。

 こちら側の面にヒビが見られます。
あとでズームしますが、縁から斜めに降りている茶色いラインがヒビです。
貫通しています。

 正面。


 後ろ側。



 別サイドのプロフィール。
こちら側はきれいな面になります。


 フタです。
このフルーツのついたフタは、シンプルなクリームカップのフタだったのではないかと思います。


 フタの裏側です。



 フタの裏側にカケがいくつか見られます。



フタのフチにカケのあるところを表から見たところ。
上から見るとかろうじてわかる程度です。



 フタの裏側。
シミなども。



 釉薬に擦れ感。


 生地のムラ。
フタの表側です。



 ここからカップの詳細に入ります。
内側は全体にシミが見られます。

おそらくこれでコーヒーを飲んでおられたのではないでしょうか。
大きさ的にも調度エスプレッソなどに良さそうな、少し大きめのデミタスカップくらいの大きさですので。



 ヒビの見られる面。
斜めに入っています。


 中央の花のレリーフの右側で止まっているようです。


 ヒビを内側から見たところです。


 貫入と全体的なシミ。


 釉薬の擦れ感などが見られます。

それにしても美しいお花のレリーフ♥


 裏側。
18世紀の陶器らしく、刻印がありません。

そうそう、先ほどルクセンブルグの。。。と書きましたが、BOCHの前身のセットフォンテーヌ窯だったとしたらサインが入っているかもしれません。
ないってことはフランスの可能性が高そうですね。


 もう一度、内側とフチの様子を。

ヒビはショックかもしれませんが、良く見てみるとこのヒビとシミを除けば結構良い状態なんですよ。
今回は漂白しておりませんが(ヒビがある時は長く水につけるのが怖いので)、漂白でかなりきれいになると思います。

ただし、シミが動いてしまったら長いメンテナンスとなります。
日干しして、白っぽくなって来たらまたお湯につけて、日干し、を繰り返すと薄くなってくると思います。
一度できれいになる場合もあります。
最近飲まれたコーヒーやお茶のシミなどの場合はすぐに抜けてくれる事が多いようです。
100年以上前のシミや油となるとかなりしつこいです。。。



 コロンと丸っこくてかわいい。
貴婦人のデザートにピッタリな作りですね♪
上の写真はヒビの側。



 こちらはヒビのない側。
ステキでしょ♪



 後ろの方までたっぷりとレリーフがきていて、美しい・・♥





これからいくつか18世紀のクリームウェアと言えばいいのか、フランスの窯の白い(アイボリー色)レリーフ皿などをご紹介して行きます。

ヒビのあるものはお安くなっていますので、お見逃しなく!




もう一度、ヒビのある側。





ヒビのない側を後ろ目に見たところです♡

18世紀のファイアンスらしく、軽い作りなところがはかなくて愛おしくなるカップです。
細かなお花のレリーフが素敵です♪

修理をしてくださる方やコレクション用に、この状態で大切に引き取ってくださる方へ♥




☆☆☆☆☆

ご売約済み♪
MERCI♡



オーナー☆イデコ



2015年12月2日水曜日

リボンとお花のガーランド 白いレリーフプレート 

直径23.6㎝程の白いプレートのご紹介です。

リボンとお花のガーランドがかわいいお皿は、おそらく18世紀終わり頃~19世紀初め頃のイギリスのものではないかと思います。



かわいいレリーフが素敵な陰影になって、大変きれいです♡



全体像



どこかシックで、かわいいけれど、どこか大人の雰囲気です。

古いものですからフチにキズやミクロ級の小さなカケなどは見られますが、全体的には年代の事を考慮するととても状態が良いと言えるのではないでしょうか。





フチに擦れ感や小さなキズ、またはミクロ級のカケが見られます。


 キズからはシミによって変色が少し。





表面は少し擦れ感が見られます。


 表面のキズの様子です。


 裏側。


 やはりフチ近辺にキズやシミなどが少し。




裏の脚やフチ近辺にシミが見られます。


 裏の刻印。
数字だけでメーカーの刻印は見当たりません。
18世紀のもだから刻印がないのか、19世紀のものだけど忘れてしまったのか?
数字から製造年月日が分かるのは、イギリスのものに見られるので、もしかしたらイギリス製かと思っております。
裏がのっぺりしていなく、脚のようなものが18世紀にすでにあったのもイギリスならばあり得る事です。
技術がフランスよりも上でしたからね。



イギリスのものだとしてみるとやはり、フランスの18世紀の陶器に見られる歪みなどはなく、きれいな作りです。





こんなかわいいレリーフ見ていたらちょっと食卓が楽しくなりませんか♪




 食卓と言っても、これでガツガツご飯を頂くには、もったいないですから、デザートとかサラダとか、またサンドウィッチならお皿を疲れさせませんね。

ひとりでこっそりと。。。笑



自分の好きな食器と合わせて♪



うふっ♡


やっぱり素敵な白いレリーフ皿♡




☆☆☆☆☆

完売いたしました♪
MERCI♡


オーナー☆イデコ




2015年11月6日金曜日

CREIL クレイユ オクトゴナル 絵画風プレート 幼児たち


クレイユの1810年頃の、
ふたつの絵柄の違うお皿をご紹介いたします。


右上の小天使がモデルになっていると思われる柄の方をこちらでご紹介させていただきます。
もう一枚の裸の女性像の方は、最後の方にアドレスを掲載しておきます♪
(やはり、芸術作品とは言え裸の女体図の写真をブログにたくさん載せるには抵抗があり。笑)



という事で、4人の裸の幼児たちです。
小天使がモデルになっていると思ったのですが、パッと見たとたん普通に天使だなと思っておりました。
でもいろいろ調べると、奥が深くて、はっきり分からないままです。
乱痴気騒ぎの幼児たち、と言うとタイトルがなんだかお下品で嫌なんですが、遊んでいる幼児たちと思っていただけたら良いかなと思います。



紀元1世紀ごろには天使には翼がなかったのだそうです。
天使に翼が付けられるようになったも、神様に近づくために天空を飛べるように。
そして中世の頃までは、天使は子供の姿ではなかったようです。

分かりやすいのはモンサンミッシェルの大天使ミカエル。(ウィキより)
確かに子供の姿ではなく、勇敢な青年の姿です。

これが幼児の姿になったのは、ルネサンス時代の事なんだそうです。
そして、天使ではなく幼児が遊んでいる姿の絵画やレリーフが流行ったのが18世紀-19世紀の頃。
葡萄をバカ食いしている幼児や、お酒を飲んで乱痴気騒ぎをしている姿など、やんちゃな姿をよく目にします。
おりこうさんの幼児の姿はこの手の絵画やレリーフでは見たことがありません。。。今のところ。笑


 お皿の詳細になりますが、左側に3か所カケている部分が見られます。

カケの部分のアップ


 フチにミクロ級のキズ。
リムは葡萄の実の付いたツタの模様です。


 フチの擦れている様子です。



 中央の柄アップ。

古いクレイユのもので、釉薬の上からプリントがされているんです。
クレイユで陶器の製作がされパリの印刷会社がプリントを請け負っていたようです。

1810-1820の間のものに見られるのですが、はじめは釉薬の上からプリントしていた為に、強く擦ったりするとプリントが剥がれていました。
これはすぐに改善されその後透明な釉薬が上からかけられるようになっています。
お皿にプリントするという事はこれでも当時は画期的な事で、プリント技術のおかげで1日に200-250枚のお皿にプリントがなされたという事ですから、手描きに比べたくさんのお皿が生産されていたのですね。

工業生産の始まりと言えるのではないかと思います。


木につながれた、ハト?でしょうか。
子供は無邪気ですね。笑



ちょっとお顔の部分が擦れて薄くなっています。


幼児たちの表情がかわいい。
花をつかんで遊んでいます。
やっぱりやんちゃですね。


フラワーベースの花もきれいに。


キズや擦れが見られます。


表面の様子。


キズや擦れなど。



裏側。


裏のキズ。


小さなシミやキズ、製造時の生地か釉薬の突起など。


サイドから。


それでも結構プリントはきれいに残っている方なのではないでしょうか。


無邪気でやんちゃな幼児たちがかわいいプレートです♪


19初期の版画家のリトグラフをプリントしているのではないかと思いますが、基になっている絵は宗教画が中心だったルネサンス以降の世俗芸術の絵画から来ているのではないでしょうか。
お詳しい方教えていただけたら嬉しいです♪



そして女性バージョンもございます。


☆☆☆




ご注文やお問い合わせはこちらのページからお願いいたします♪
http://ideco.ocnk.net/product/3929


オーナー☆イデコ