2014年12月21日日曜日

フランスアンティーク 18世紀のポントシュー窯のお値段

18世紀のアンティーク自体が何にしても貴重であり価値があるものなのですが、

ここでは、ポントシューを例にとってお話しいたしますね。

アイボリー色のとろりとした釉薬に、美しいお花や米粒のレリーフが美しいお皿。
素敵!と思われる方は多いと思います。
欲しい!と思われる方も多いと思います。

これですね。(*´▽`*) わあ素敵。

ただ、お値段がお高くてもしくは状態が新品みたいではないから断念される方も多いのではないかと思います。
新品みたいなものは滅多に存在しないのが普通です。
だってアンティークですから。笑
キズものでも高いんです。

そして、まだあまり知られていない事もあると思います。
そこでご参考になるようなお話を。
(もうイデコまたうんちくたれて、うるさい!と言われそうですが。)


ポントシューのお皿はフランス革命前のものです。
フランスがまだ王国だった1760年前後のお皿なんです。
250年以上も前のお皿ですよ。

クリスティーズのサイトで2002年のオークションの結果を見つけました。
http://www.christies.com/lotfinder/lot/seize-assiettes-en-faience-fine-blanche-circa-3950269-details.aspx?pos=1&intObjectID=3950269&sid=&page=5&lid=1

ここにポントシュー窯の食器が並んでいる写真があります。
ハンマープライス(落札価格)が4,465ユーロです。
そして、推定価格が500~800ユーロ。
始まりはきっと500ユーロからだったのでしょうか。
それにも驚きですが、落札価格の上がり方にもビックリです。

500ユーロから開始ってお安いとお思いでしょう?
確かにそれでは安すぎると私も思います。
しかしながら、この金額は写真に載っている全部の食器の金額ではありません!

お皿16枚だけのお値段なんです。
(ちょっと太文字にしてみましたが、いやらしいのでやっぱり辞めました。笑)
SEIZE ASSIETTESとちゃんと記載されていますね。

推定金額がやけにお安いのが気にはなりますが、落札価格の金額ったら逆にお高すぎます。
1枚のお皿のお値段が280ユーロ程になるんですから!
日本円ならば1枚4万円ほどと言った感じでしょう。
それプラス、イギリスからの送料も考えるとかなりのお値段ですねやっぱり。
クレイユモントローのお皿のお値段とは格段違います。
高くて当たり前なんです。

(引き続きクリスティーズのサイトの写真を見ながら読んでください)
中央にスーピエールのようなふた付の器がありますね。
これ、テリーヌの器とされています。
貴族のものですから、スープなんて貧しいお食事ではなく、豪華にテリーヌなんですね。笑
こちらの落札価格は12,925ユーロ。( ̄▽ ̄)
2014年末のレートで約1880000円ほどです。。。
百八十八万円ほどです。笑
それにしてもこれはちょっと高い例だとは思いますが。。。

持ち主だったのは、フランス人(ペリゴール)のタレイランド公爵。
タレイランド家は何代にも継承されていて、いつの時代のタレイランド家のものかは分かりませんが、いずれにしても公爵か伯爵の称号が付いています。
貴族の持ち主だったのですね。

ポントシュー窯の食器だけではなく、18世紀の陶器はとても貴重なんです。
1789年フランス革命の際には、王族、貴族、そしてカトリックの教会の調度品までが壊されてしまいました。
こんなに割れやすい高級ファイヤンスですから、きっとたくさんのポントシューの食器が壊されてしまったのではないでしょうか。

欠けやヒビがあっても普通の事なんです。
アンティークですから。
決して使いやすいものではありませんし、個人的にはコレクションとしてお楽しみいただきたいと思います。
使うならばたまにね。(*^^*)


そして、お願いです!
割れても捨てないでください。
大変貴重なお品物です。

どうぞ、金繕い、金継ぎなどの修理はいまキットまで売っていますからご自身でもチャレンジできるはずです。
そして、セラミック用の接着剤も売っています。
失敗なくきれいに仕上げたい場合は、プロの陶器修理屋さんに頼んでください。
それをお仕事にしていらっしゃる方も存在します。

自分でもできない、プロに頼むのは高すぎる。
とおっしゃるならば、割れてままでも結構です。
保管しておいてください。
イデコの切なる思いです。

割れたから、と捨ててしまうのは本当に悲しい事だと思います。
250年生きてきて、遠い日本に渡り、簡単に捨てられてしまう事があって良いものでしょうか。

うるさいですね、すみません。笑
ここでやめておきます。

見るのはタダですから、また写真載せておきますね。

これ、本当にとても良い状態の方だと思います!

やっぱり、素敵ですね♡




※ ところで、イデコの書いている事は間違っている事もあると思います。
決してコピペして簡単に同じことを語らないようにお願いいたします。
イデコが言ってたよ、なら分かりますが。
ブログやご自身のサイトなどで引用されたい方は、是非ご一報くださいね。
ご説明させていただきたい事がございますので。笑
うるせーな、イデコ。
と聞こえてきそうな。笑


よろしくお願いいたします。m(__)m

ギャルリーイデコ
オーナー☆イデコ



フランスアンティーク  キュノア / キュノワ / キュノワール / Cul Noir ! うさぎのテリーヌ 19世紀

面白い形ですね。

先に申しあげておきますが、ヒビが3か所とそれを修理したアグラフの跡が見られます。
アグラフとはデコレーターが使うガンタッカーのようなもので留める技術なのですが、ホッチキスみたいに留めてある修理法です。
この修理方法も今では見られません。
ある意味貴重な記録としてご覧いただけると良いかもしれません。

 ふた付きのテリーヌ容器です。
サイドから。

 別のサイドから。
両サイドは同じ柄で、狩猟の様子が表されており、鹿だと思いますが犬に追いかけられております。
この狩猟の柄は伝統的な柄で、王族や貴族の室内装飾や食器などによく使われていました。

 ふたの部分がウサギちゃんの形なんです。
リアルなとても渋いうさぎです。

 内部。
フタは極めて良い状態です。
本体の方にヒビが3か所見られます。
貫入から入ったヒビと思われます。

 うさぎのレリーフと本体の裏の様子。
本体裏の下少し左の方にカケが1か所見られます。

 アグラフはサイドに見られます。
うまい具合に上の方の目立たない場所と左のアグラフより下の方にも打ってあります。
そのヒビをたどって下の方を見ると、貫入の大きさが感じ取れると思います。
途中で止まっております。
こんな修理方法、逆に陶器を割ってしまいそうですが、なかなか丈夫なんですよ。
不思議。


 刻印の数字「2」がさかさまになっているのですが、上の写真を正面に見て「2」の上で止まっています。


こちらの写真の方が分かりやすいでしょうか。
「2」の下で止まっているようです。

 逆サイドにもアグラフが見られます。


 やはり貫通したヒビのアップの写真です。


 アグラフ処理がされているので、ぐらつきとかはありませんが、補強された方が良いと思います。

 裏は焦げ付きで黒くなった跡など。

 横から。
キュノワらしいこげ茶の美しい釉薬と白い釉薬の境目がまた渋い雰囲気です。

 逆のサイドから。
ツヤツヤですよ。

 とても味のあるうさぎちゃん。

 うさぎをテリーヌにしていたのでしょうか。。。

 もう一度内側の写真です。

右上は一番小さめ、右の下が3つの中では一番長めに入ったヒビで底まで届いています。
右の上と左のヒビは横で留まっています。











最後の写真は黒っぽく写っておりますが、お色は一番初めの方の写真が実物に近いお色になります。

ヒビはあるものの、輝きの素晴らしい美しいお品です。


☆☆☆☆☆

<キュノワール うさぎのテリーヌ容器> 

☆ アグラフの修理跡あり。
☆ 貫入、貫入からのシミ、焦げ付きなど。
☆ 底にキズや小さなカケが1か所。
☆ 刻印 数字の2


年代:19世紀
サイズ:27.6X12.3cm 高さ12㎝(ふたを含む)
梱包:3㎏以内
価格:45,000円
保険・追跡番号付送料込みのお値段。


ご注文やお問い合わせはこちらのページからお願いいたします♪
http://ideco.ocnk.net/product/3922


オーナー☆イデコ


2014年12月19日金曜日

ゆっくりと進めさせていただくために

変更事項でございます。

まだまだギャルリーイデコの存在は知られておらず、静かに進めて行くつもりでございました。
ユルユル仕事をさせていただくのが怠け者の私にとっては大変ありがたく。
そして本当はたくさんの方に、特にアンティークをあまり知らない方にも知っていただければという思いもあったのです。

ゆっくり進めて行かせていただきますためには、早いもの順のシステムを辞めようと思います。
グルニエイデコの方では商品数も多いので、早い順で大変ありがたいのですが、こちらの貴重な1点もののご紹介で、いきなり「完売」だとがっかりされる方が多い気がいたします。
しばらく眺めながら夢をみていただけるよう、ご購入者様決定までの有余を設けさせていただきたいと思います。
いつもお世話になっていらっしゃる方には、本当にお世話になりっぱなしで、感謝がしきれません。
皆様にも有余を持っていただき、ゆっくりとした時間の中でお付き合いいただけたらと思います。
これからは焦らなくても大丈夫ですよ。(*^^*)
そしてこの時間の有余に関してご理解をいただけたら大変ありがたいです。

と、いう事で。
ブログ掲載から1か月の有余をいただき、ご希望者様がその間に複数に達しました場合には「抽選」という形にさせていただきたいと思います。

なかなか初めの一歩が踏み出せないでいらっしゃる方にも、アンティークの魅力を知っていただきたい。
そして、ギャルリーイデコの方では特に貴重なお品ものばかりをご紹介させていただきます。
アンティークをよくご存じない方にも1点ものを人生のうちに一つだけでもお持ちいただけるよう、そんな願いでございます。


もちろんいつもお世話になっておりますお客様にはいつも通りの対応をさせていただきます。
引き続きご遠慮なくなんなりとお申し付けくださいね。
皆様からの便りが嬉しいイデコです。(*'ω'*)



ヤドリギのリース、ちょっと失敗でしたが不器用な感じもかわいいかも?

オーナー☆イデコ

19世紀 CHOISY ショワジー窯 白い透かしリムのお皿

ショワジー窯1804-1823年の間のお品になります。
約190年ほど前のものです。

かわいい透かしリムとリム内側のパールのようなドットのラインが素敵です。

とても繊細な作りです。

なのに、カケもヒビも見られません。
奇跡のような。。。

シミがうっすら見えています。

小さな範囲ですがシミは見られます。

CHOISYとブルーの☆マーク


風化して少し変色が見られます。

擦れて、出っ張った部分は釉薬の剥がれや小さなキズがあります。

サイドからみた写真。
フチの擦れやキズ、釉薬の剥がれなど。



19世紀でもまだ初めの方ですから18世紀の食器と同じく、軟質陶器になり歪んでいるのが分かりますね。
こんなところがかわいい、と思ってくださる方へ。
軟質陶器を言ってももちろん固いですよ。
ポースリンや現代のセラミックに比べたら強化には欠けますが。

だからこそ大切にしていただきたい。

表面にはカトラリーのキズが少しと擦れている部分が見られます。


この古さで、この繊細なデザインで、この状態の良さはなかなか出会えません。


雰囲気でナイフを置いていますが、個人的にはナイフを使うとお皿が傷がついてしまう恐れがあるので避けていただきたい。。。笑
特に切れ味のよい19世紀のナイフはお避け下さい。
現代のフランスのナイフならまだ大丈夫かと思います。


テーブル、おとといペイントしたばかりです。
テーブルを塗装して、写真を撮りたくなりました。
良い機会なので、このショワジーのお皿をご紹介となりました。


素敵。
でしょ?

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆




完売いたしました。
MERCI♡


オーナー☆イデコ


2014年12月18日木曜日

18世紀 Pont aux Choux ポントシュー ミモザとお花のレリーフ プレートと深皿

アイボリー色の2枚のポントシュー窯のお皿のご紹介です。
1748-1760年の間に作られた大変貴重なお品ものになります。

 2枚のタイプが少し違うのですが、お分かりになりますでしょうか。
上からだと良くわかりませんね。
では、

 これならば違いが分かりますでしょうか。
右が比較的平らなプレート。
左が深皿になります。
まずはプレートの方から写真をご覧ください。

 勝手にミモザにしていますが、お花も見られます。
またミモザではないかもしれません。
しかしながらミモザに似ているので、イデコ自身も分かりやすいようにミモザにさせていただいています。
美しい陰影のレリーフ。
そしてリムは花形のきれいなデザインです。
このスタイルのもとになっていたのは、銀食器です。
銀食器で花形のプレートを見ることがありますが、そちらが本家です。
(この話はまた長くなってしまいそうですので、別の機会に記事書きますね。)

 プレートの上部に見えているのは細かなカケ。
このようなカケが上部を中心として数か所見られます。

 別のカケの例。

 また別のカケの例と制作過程でできた突起物。

 プレート表面中央に黒い点がありますが、小さな穴にシミが入り込んだものです。

 その穴を中心にアップで。
カトラリーのキズも細かなものが多少見られます。
アップの写真ですので、これだけ見るとガッカリされるかもしれませんが、実際にはさほど目立ちません。
また、250年前のアンティークですので、カケはあっても当たり前だとお思いいただける方にお譲りさせていただければと思います。
新品の様にきれいなアンティークをお探しの方には、新品をお勧めいたします。笑

 裏側。
ぷっくりとしています。
はっきりしたサークル状の脚のようなものはまだフランスでは存在しない時代です。笑
なんとも不器用に見えるけれど、そこがとてもかわいくもあるお品です。
(イギリスでは同じ時代でも脚部分はきちんとあります。)

 ぽってり。

 上部に見えていたカケの部分をサイドからみた様子です。

 こちらは別のサイドのふちの擦れ具合。
釉薬が剥がれています。

やはり形は少し歪んで見えますが、それも味。
そして、プレートと言ってもこの時代は真っ平といよりは少しだけ深みのある形なんですね。

 お花とミモザのレリーフ♡
擦れも素敵。










 手前がプレートで、奥に写っているのは深皿タイプです。




☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆




そして、お次は深皿タイプのご紹介です。

 深皿と言ってもボウルみたいに深いわけではなく、フランスのスープ皿は深くないんです。
ボウルのようなものの方がスープなどの液体類はすくい易いと思うのですが、いつも疑問に思います。
すくいきれない残りのスープは、テーブルマナーで(習いましたか?笑)習ったように、お皿の手前を少し浮かせて、奥に溜まったところをすくい取るのですよ。笑
音を立てて飲んではいけません。
いずれにしてもフランスのスープはぬるいです。爆
アツアツが出てくることはまずありません。
そもそも浅い形なのは猫舌だからかもしれませんね。
(勝手な想像)


 注記するカケは上部の一カ所だけです。

 あとは、フチの擦れやキズ、釉薬の剥がれなど。

 表面に黒い点が2個見えます。
製作過程でできた小さなくぼみのようです。

 表面のカトラリーのキズ。

 裏側。
ぽってりですね。(^^)

250年前のものにしてはきれいですよ。

 上部のカケの部分をサイドから見たところ。
そしてフチの擦れ。

 フチの擦れと釉薬の剥がれ。

 深皿。。。
なんですが、プレートより深いんだな、と思っていただけると雰囲気が分かりやすいかと思います。

 深皿です。

 深皿。
です。


 深皿のセット例。
これだけ古いものですので、スープなどの液体類用に使用するよりも、乾き物に、更にはコレクション用としてお使いいただけるのが理想的です。
割れても決して捨てないでください。
割れたら修理して、保管していただきたいと思います。
250年も前のものですから・・・。

深皿。
深皿は18世紀のお皿ではあまり見たことがありません。

 
 手前が深皿。
奥がプレートです。




最後にもう一度、右が平らなタイプ。左が深皿です。





完売いたしました。
MERCI♡

オーナー☆イデコ