2015年9月23日水曜日

南仏陶器 APT アプト窯 19世紀 グリーンのバルボティーヌ 昼顔

またしても、2枚のお皿のご紹介となります。

19世紀終わり頃のお品になります。


アプトの中でも珍しく、また試行錯誤を重ねていた最後のほうのお品です。

2枚の内のAの方をご紹介いたします。
Bは最後の方にアドレス載せておきますので、お写真はそちらからご覧くださいませ。


ではAの方です。

ボタニカル柄レリーフのバルボティーヌ。


釉薬の表面が擦れて剥げている部分がありますが。


基本的には、アプトのお皿としては大変良い状態と言っても良いのではないでしょうか。



表面の様子。
デザート皿ですので、肉切りナイフなどを使われることはまずなかったでしょうからカトラリーのキズはほとんど見当たりませんでした。


釉の剥がれているところのアップ。
下地はやはり南仏の土の色なんですよね。



釉薬の剥がれもアクセントとして楽しんでくださいませ。


貫入。
よ~く見ると貫入が入っているのが分かります。


裏。


製造時のキズ。


こちらも製造時のキズ。


アプトのドラクロワ
アプト窯のドラクロワ家ほぼ最後のお方です。


横から見ると少し歪みが。
かわいいです♪

と釉薬が剥がれている部分が少し。



フチのキズの様子です。


こちらもキズの様子です。


釉薬のたまった窪みのあたりの色は濃い目になっています。


ヒビもカケもなく、良い状態のお品になります。

そうそう、この植物の柄ですが、これは昼顔なんですよ♪
アプトの美術館に同じものが展示してあります。

そこで購入したガイド本をちらりと。

ギャルリーで扱っている方がお色がきれいだったりして。笑




もう一度

全体のお写真を。



どこかクレイユモントローの葉脈レリーフのお皿を思い浮かべる方もいらっしゃるかもしれません。
そんな方は良くご存じなお方です♪笑

クレイユモントローはウェッジウッドの影響で葉脈のレリーフ柄バルボティーヌのお皿を作っていました。それが19世紀初期。
バルボティーヌで有名になった窯は、私の知っているところだとショワジー、サルグミンヌやオネン窯などのフランス北部の窯があります。

汽車などの交通機関が発達してきた19世紀後半、南仏の人たちもかわいいサルグミンヌや気品ある白い食器のクレイユモントローなどに移っていってしまったようです。
そこでそれまで田舎風なラフな作りの陶器が売りだった(売りだったのか、そういう作りしかできなかったからか)アプトの窯でもパリやロレーヌ地方で作られている食器の真似を始めたのです。
ですが、この南仏の土地の材料を使って洗練されたものを作るというのは、とても難しかったようでドラクロワさんはアプトの市長に手紙を書いていました。
「パリの洗練された技術がうちにはなく、どうしても製造方法が開発できない」と、「どうか技術を教えてほしい」と、昔の栄光も嘘のような、恥を忍んでのこの言葉、アプトの美術館で涙が出そうになりました。

南仏の土ではそれが実現できず、どこか質の悪いものと思われがちになってしまったようです。
カオリンを仕入れるにも同じフランスにいても大変な時代だったのでしょうね。
というか、そこまでしたかったのかは謎ですが。

1908-1909年に破産宣告をして、1915年にドラクロワ家の窯も倒産となってしまいました。

そんなまま終わってしまったなんて。

悲しい。。。


南仏伝統のアプト窯、最後の方のお品で貴重なお品です。。。


右上がA左下がBになります。



☆☆☆☆☆




MERCI ♡
完売いたしました♪

オーナー☆イデコ


2015年9月20日日曜日

MONTEREAU モントロー 19世紀初期 ショコラカップ 


今回は、手前に見えているふたつのショコラカップのご紹介です。

ショコラショー(ココア)用のカップはこの丸っこい形が出回っていた時期があったようです。
ちょっと丸っこくて上の方が少しすぼんだ形ですね。

AとBのふたつあります。
なぜかいつもふたつづつのご紹介になっておりますが、特に意図はございません。笑

ブログの方では「A」の方をご紹介させていただきます。
「B」の写真は最後の方にアドレスを載せておきますのでご覧くださいませ。



ころりと滑らかなラインは、ココアのイメージにピッタリですね。
エスプレッソを飲む文化のフランスにしては、大きめのカップの部類に入ります。
口径が約10.5㎝程。


高さが約7.3㎝程です。


フチにとても小さなキズが2つ3つあります。
製造時にできたものとそうでないものとあるようですが、いずれも本当に小さなものです。


真横。


持ち手のある側。



持ち手を右側にした際、手前に小さなキズが1ケ所見れらます。
そこから染みたシミもあります。




上の写真のキズとシミのアップ


内側は、かなり使われてマットになっております。


キズや薄っすらシミがあります。


フチの様子。
持ち手のある後ろ側に当たる部分のフチに小さなキズ。


シミが分かりずらくて、申し訳ないのですが。。。
この写真では少し分かりますでしょうか。



上から見るとフチの小さなキズの様子がわかりやすいでしょうか。


持ち手にキズと、側面にも少しキズが見られます。


持ち手はヒビはなく、良い状態です。


フチに小さなヒビがあります。
貫通した0.5㎝程の本当に小さなヒビです。


上のヒビを内側から見たところです。



側面は、キズや黒い斑点など。
古いものだからこその歴史が出ております。


裏側。


刻印はLL&T
MONT+小さなAU
MONTAUでAUが小さくなっているんですが、MONTEREAUの省略形です。

フランスではこの省略の仕方を度々見かけます。
全然違う事ですが、例えば、南仏の町Aix-en-Proevneみたいにちょっと長くて看板に入りきらないほどの文字数だと、Aix en Pceのように省略されています。
話がそれましたが、


ころりとした、形やっぱりかわいいですね♪




ここまではAでした。
ふたつありますので、もうひとつのBのほうはお写真+キャプションを載せておりますこちらの方からご覧ください。
<MONTEREAU モントロー 19世紀初期 ココアカップ B>
https://picasaweb.google.com/108404909817786868871/MONTEREAU19B?authuser=0&authkey=Gv1sRgCJzivvjMx4qzhwE&feat=directlink



こちらの商品は漂白してあります。
実際に使われる際、ピリピリするなと思ったら使用は避けていだき、お湯に長時間付けたのち植物系の洗剤で普通に洗ってください。
トーションなどでふき取ってから、完全に乾かしてから新たに使用してみてくださいませ。







☆☆☆☆☆


完売しました♪
MERCI💛💛💛

オーナー☆イデコ